「拝啓、先生」 ~土方吉雄さん(建築学科)~
同窓生が設立した~NPOしらかわ建築サポートセンター~
建築学科都市計画第一研究室の土方吉雄先生(建築23回卒)は現在、地元白河市でまちづくりのNPO団体の理事長も務められています。今回、その活動についてお聞きしました。
~「NPOしらかわ建築サポートセンター」は、平成21年11月、まちづくりや災害対策が、できるだけ住民参加型の政策になるよう、住民と行政の潤滑油になり、住民に寄り添った建築技術の専門家集団として地域社会基盤の維持保全等に寄与することを目的に、建築学科同窓生の鈴木節夫氏(23回)、松田和久氏(23回)、齋藤正明氏(32回)らが発起人となり設立されました。設立後ほどなく平成22年1月に、支援活動の一環として、災害時の避難所に指定している建築物が被災した場合の迅速な被災状況把握や早期復旧を図るための「災害時における被害状況調査の支援に関する協定」を白河市と締結しました。その1年後に発生した東日本大震災の復旧では、この協定締結が実を結んでいます。
災害救援の他NPOとして、まちづくりの推進、環境保全、医療・福祉の増進等についても活動しています。特に、城下町白河市が注力している「歴史的景観づくり」の業務に多く関わっており、景観資源調査事業を始め、景観まちづくり支援事業、歴史景観散策ツアー、歴史的蔵調査事業、地域で循環する歴史的建造物の修理システム構築、歴史的風致形成建造物相談業務等に取り組んでいます。私と大学研究室も住民主体の景観まちづくり協議会の協定締結に向けた業務のお手伝いに学生ともども参加しています。これまで関わってきた協議会のうち「白河門前通り景観街づくり協定」が平成26年3月に締結認定されていますが、学生にとっては、調査研究結果が協定内容として具現化していくことや、協定により形成される将来の景観イメージに思いを巡らすことにやりがいや喜びを見出しているようです。
今年設立7年を迎えますが、会員が徐々に増えるとともに、地域社会からの認知度の高まりも感じています。今後も、地域に信頼され、よりどころの一端を担えるよう、理事長として会員の皆さんと一歩ずつ活動を進めていく覚悟です。~
「白河門前通り景観街づくり協定」リーフレット表紙