「拝啓、先生」 ~古河幸雄さん(土木工学科)~
平成27年度より土木工学科の主任教授を拝命しておりますことから、当学科の象徴的な研究施設を紹介致します。
工学部では、「Lifestyles Of Health And Sustainability(健康で持続可能な生活スタイル)」の頭文字を取った「ロハス」を工学的に開拓する研究を推進し、土木工学科では健康の対象を社会基盤にして進めております。社会基盤を更新しなければならない事案が飛躍的に多くなり、経済的観点からその長寿命化が求められております。その対策を検討するために、工学部内に実物の橋梁モデル(写真-1)を設置して劣化状態を把握するとともに、走行状態で最大25tを載荷できる輪荷重走行試験装置(写真-2)や2×3mサイズの供試体で凍結融解や塩害促進試験が可能な大型環境試験装置でそれら外力の付加による破壊メカニズムの解明を行っております。また、トンネルや地下空洞における変形や破壊過程を岩盤から発生する亀裂発生音の計数から解析する大型岩盤三軸試験装置(写真-3)があります。
2011年3月の東日本大震災では、津波被害や地盤の液状化被害が記憶に新しいところです。津波に対しては、防波堤の高さや配置を研究する幅1.2m、長さ15mの水路(写真-4)や津波の波及・遡上などを検討する幅4m、長さ10mの増波装置があり、再建される防波堤システムの提案に活用しております。また、液状化対策では、最大積載荷重7tの二次元振動台により過去の地震波を再現して発生メカニズムの解明からその対策の検討を行っております(写真-5)。さらに、微生物により汚濁物質を分解・濾過し、無臭・透明にするロハスの花壇(水質浄化装置)により、エネルギーを使わず庭の花壇で生活排水を浄化する実証実験を行っております(写真-6)。これらの設備はいつでも見学が可能ですので、興味のある方はご一報ください。[土木工学科23回卒 福島県在住]