支部・部会リポート:九州支部リポート
『バリアフリー、ユニバーサルデザイン、超高齢社会』
大学卒業課題は、現在、関西で設計事務所を経営する衛藤信一君らとのグループ設計作品でしたが、私は集合住宅の鳥瞰図や透視図等を担当し、苦労して完成させました。大学院での修士論文は、当時40歳位の故佐藤平先生指導の下、私にとってバリアフリー(BF)研究のスタートでもあった「盲・ろう・養護学校の寄宿舎の建築計画に関する研究」でした。視覚・聴覚・知的障害児等の特性に配慮した生活環境整備の観察調査を基にした障害児施設の研究です。
大学院修了後「障害児教育環境」をテーマに工業系大学助手となり「熊本市の公共建築物のバリアフリーガイドブック」を作成、点字ブロック(視覚障害者用床材)の使われ方も調査しました。 市民活動「バリアフリーデザイン研究会」の会長(19年間、現在顧問)も務め、当時多くの挑戦を始めました(学芸出版"バリアフリーが街を変える"詳細掲載)。
20年間勤務した工業系大学を退職後、現在の医療福祉系大学に勤務、福祉や医療・心理等の情報を取り入れ、脳機能障害、認知症、発達障害のBFや環境心理学も研究しています。最近はBFやユニバーサルデザイン(UD)の検定資格も創設しました(一般社団法人ユニバーサル・バリアフリー協会Webサイト詳細掲載)。母校の研究者の皆さんには(私も微力ながら研究貢献したいと思っていますので)、是非「放射能汚染にリカバリーできる健康で住みやすい福祉のまちづくり」を研究していただきたいと思います。今後、避けられない日本の超高齢社会問題に対して多くの研究業績を持つ母校と医療や福祉系大学・研究機関とのコラボレーション企画研究が一層求められると思います。母校の発展を強く祈念しています。
~西島さんからは複数の著作を事務局:アカシア文庫に寄贈いただきました。御礼申し上げます。~