支部・部会リポート:教員部会リポート
「震災をへて」
アカシア教育研究会レポート
3月11日の震災をへて、それまでの勤務校があった南相馬市(東京電力福島第一原発から23.8km地点)から、5月9日学生と共に郡山に移ってきました。
私は、平成4年に工学部機械工学科を卒業し、平成6年大学院工学研究科を修了。当初民間の建築設備会社に就職しました。その後、平成10年に喜多方市の福島県立会津高等技術専門校(現福島県立テクノアカデミー会津)に建設機械整備科(産業機械サービス科)の指導者として赴任し、その後建築設備科(環境システム科)を担当、平成17年に、南相馬市の同浜校(現福島県立テクノアカデミー浜)勤務となり、現在、木造建築施工科(建築科)を担当しています。
今回の震災では、職場の目と鼻の先にまで津波が押し寄せ、現役の学生も津波の犠牲になるなど、筆舌に尽くし難い極めて辛いことが続きました。また、これまで、県外への移動・諸事情で退学を余議なくされた学生もおり、学生達の精神面・身体の健康、なれない土地での生活(家族とや親戚とも離れている学生が多く)など心配は尽きません。移動に際して、書類の整理・機材の運搬・いろいろな調整など大変でしたが、このごろようやく、郡山校(テクノアカデミー郡山)での生活にもなれ、学生と建築を学んでいます。
今回の震災では、大学の校友から多くの心配や励まし電話をいただき、とてもありがたく思いました。この場をお借りして、深く感謝申し上げます。工学部学生の皆さんには、「このような社会の停滞期があっても、やまない雨はない」の想いを胸に、自分自身の力を着実に蓄えてもらいたいと思います。
私は、機械を勉強し卒業しましたが、今では、努力を重ね、多くの資格を取得して建築・建設に関する指導に当たっています。 専門外のようですが、大学での専門性は一時のものであり、それにこだわらず仕事を通じていろんな事を貪欲に吸収し、柔軟なスタンスで自分を観るのも大切ではないでしょうか。経験上、学生時代に一所懸命に頑張って培った力は、決して無駄にならないと感じています。そして、学生時代に良き師、良き先輩、良き仲間に巡り会うことこそが、人生の宝であると思います。そして、年を経るにつれて校友の輪はすばらしいと実感できるのです。