支部・部会リポート:教員部会リポート
母校での講演~教職のススメ~
11月15日、静岡県立島田工業高等学校教諭で教員部会の事務局も担当されている大石祐太さんが、母校土木科の後輩1年生のために来校し70号館五十嵐ホールにて講演しました。教員の仕事について現在までの経験を振り返り、先輩らしい親しみを持っての熱弁で、学生からの質問にも具体的に答えられていました。ご寄稿ありがとうございました。
~令和元年を迎えた記念すべき年に、母校である日本大学工学部で学生に向けて講演できたこと、心から感謝するとともに、準備をしてくださった渡辺英彦教授、永田進特任教授そしてゼミ生の皆様、教職について講演を聞いて下さった学生にお礼申し上げます。
私の大学への進学は「リーマン・ショック」などの影響で工業高校生の求人数が激減したことがきっかけでした。日本大学は古くからの歴史と伝統があり、多くの学生を輩出していることから就職への安心感が強く入学を決めました。入学時はいい会社への就職をだけ考え、教職課程は大学でしかできない勉強として興味本位で受けていましたが、次第に教育への関心が高まり、教師の道も考えました。教育実習で母校へ行き、生徒と触合う中で「教える楽しさ」を知るとともに、4年次では院生についていき、実習の手伝いをする中で、人と関わり、成長する姿がとても印象的であったため、教師を目指しました。
教員採用試験はなかなか合格することができず、大学を卒業後、6回受験し7回目で合格、6年間講師として学校へ勤務することになりました。講師経験では、専門分野から離れ、土木分野を教える機会が多くあり、わからないことも多々ありました。しかし、わからないことは素直に認め、生徒と一緒に勉強することで生徒の目線でつまずきや考え方などを知ることができとても良い経験ができたと感じました。
現在、教諭としてこれまでの経験を活かすとともに、令和元年に行われた日本大学工学部校友教員の会では水戸工業高校宇佐美浩校長、山形県教育委員会油井敏和指導主事、他多くの先輩教員から温かい指導をいただきました。これらは、工学部校友教員としての強みであり、そこで得たつながりを参考に日々精進して先輩教員に負けず努力を続けたいです。
今回、教職についての講演は、工業の採用が少ない現状から自分が長い間講師時代を活かして、講師での仕事や実際に入って経験したことを伝えるとともに一人でも多く、日本大学工学部から教員を目指してくれることを願って講演をさせていただきました。そこには採用されないなどの苦労もありましたが経験に無駄はなく、全て活かされることを知ってほしいです。
最後に、学生には厳しい言葉になると思いますが、学生生活を「就職延命措置」にしないでください。今、多くの選択肢があるなかで大学に進学し学問を学ぶことができる状況を大切にし、将来の目的とつなげて学生生活を送ってほしいです。急激に変化する時代において、高校生活ではできなかった幅広い視野を持った体験をし、目標に向かって歩み続けてください。~
【写真:スライドを使い項目毎に解説/武田信玄の「正範語録」を引用/質疑応答/講演後学生と歓談】