「拝啓、先生」~仙頭紀明さん(土木工学科)~ 私の近況
近年の大規模地震や大雨等の災害事象は、本学キャンパスはもとより、全国に大きな被害をもたらしています。大学では「キャンパス強靭化プロジェクト」の発足が、地元郡山市でも「土砂災害ハザードマップ」の改訂や新たに「液状化ハザードマップ」も作成されるなど、防災への意識が高まっています。
土木工学科主任教授(地盤防災工学研究室)の仙頭紀明さんは、道路・鉄道・河川堤防などの社会基盤を建設するために必要不可欠な地盤工学を研究されています。また、その研究分野は、地震や集中豪雨による地盤災害を軽減するための研究や、土壌汚染のような環境問題も含んでいます。今回の福島県沖地震後も現地調査を行われています。先生に近況をご寄稿いただきました。ありがとうございました。
~校友の皆様におかれましては、日頃より工学部ならびに土木工学科の発展のために多大なるご支援とご協力を賜り感謝を申し上げます。
令和2年度より学科主任を拝命し、学科の運営に取り組んでおります。この1年は、コロナ禍にあって、例年と異なる対応に追われました。感染拡大防止の観点から、多くの講義を遠隔授業(オンライン授業)で実施し、教員は動画等の講義資料の作成に追われる毎日でした。私自身も最初は慣れない作業に戸惑いながらも、次第にコツをつかみ、比較的短時間でわかりやすい資料を作成する能力を身に付けることができました。一方で、パソコンに向かって課題に追われる日々を過ごし疲弊する学生もいたようで、友人とキャンパスで面接授業を受けたいといった切実な意見が多数ありました。4月からは、感染拡大防止を徹底しながら面接授業を大幅に増やすことにしております。
また、この3月をもちまして中村晋教授と堀井雅史教授が定年退職となりました。両先生の永年にわたる貢献に感謝の意を表します。
さて、私の研究室では、豪雨や地震により発生する地盤災害のメカニズムと対策技術を主な研究テーマとして取り組んでいます。つい最近も、福島県沖を震源とするM7.3の地震が発生し、ドリフトの聖地として世界的に有名なエビスサーキット(二本松市)で大規模な斜面崩壊(写真1)があり、土木工学科OBの畠良一氏、原勝重氏と調査を実施しました。崩壊した土砂は安達太良ロームと呼ばれる火山灰質粘性土であり、その土量は約3万m3もありました。1日も早い復旧と営業再開が待たれるところです。
教育・研究以外では、ゴルフ部と土木女子の会の顧問として学生と触れ合っています。ゴルフ部は趣味と実益を兼ねており、学生と腕を競いながら楽しんでプレーしています。写真2は創部50周記念パーティーの様子です。土木女子の会は、学生同士の縦と横のつながりを深めることに役立っています(写真3)。
最後に私事ですが、高知県の実家で、「土佐しらぎく」という銘柄の日本酒を造っています。講義で使うパソコンの壁紙にはこの酒のレッテル(写真4)を使っています。端麗・辛口の美酒ですので、ご興味のある方は、是非一度お試しください。~