「拝啓、先生」~加藤隆二さん(生命応用化学科)~
『産総研福島再生可能エネルギー研究所・日本大学工学部連携推進プロジェクト』を推進
生命応用化学科は過去「工業化学科」→「物質科学工学科」→「生命応用化学科」と学科改編7年目を迎えました。生命応用化学科主任教授(光エネルギー変換研究室)の加藤隆二さんは、国立研究開発法人産業技術総合研究所での勤務経験もあり、大学と国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(郡山市:2016年4月開所)の連携プロジェクトを推進されています。研究室では時間分解レーザー分光法を駆使した人工光合成反応機構の解明を進めていらっしゃいます。今後も生命応用化学科のご活躍を祈念いたします。ご寄稿ありがとうございました。
~私は、2011年4月、震災直後に工学部に着任しました。震災のときには、つくば市にある前職の産業技術総合研究所(以下、産総研)にいて、仲間と慌てて建物の外に逃げだしました。異動のため、すでに退職届を出していて、このまま大学に移れるのかと不安だったことを思い出します。4月になっても新幹線が不通でしたので、高速バスで郡山入りして単身赴任生活が始まりました。研究室に入ると、物が散乱し、試薬保管庫は倒れかけ、床はこぼれたオイルでドロドロでした。後片付けをしながら、これからどうなるのかな、と思っていましたが、なんとか研究室を立ち上げることができました。
専門は光を利用する化学反応のメカニズムを調べる、という基礎化学分野の研究です。太陽電池や光触媒、人工光合成など世間の注目を浴びている研究の下支えをすることが使命と勝手に思っています。産総研にいるときに基礎から応用、実用化といろいろな研究開発フェーズの人たちと一緒に仕事をする楽しみをおぼえましたので、基礎化学を世の中に結びつける研究展開を指向しています。
産総研を卒業して空間的にも離れた郡山で新しく研究を始めることになりました。これからの研究展開を考えていたころ、なぜか産総研が郡山にやってきました。FREA(福島再生可能エネルギー研究所)です。再生可能エネルギーに特化した研究所ということで注目されているFREAですので、同じ市内にある大学として連携した活動を模索中です。第一歩として、ロハス工学センタープロジェクトとして「産総研福島再生可能エネルギー研究所・日本大学工学部連携推進プロジェクト」を始めました。コロナ禍で人的交流が難しいですが、これから新しい連携の在り方について考えながら進めていければと思っています。校友の皆様、生命応用化学科の各研究内容にご関心がございましたら、いつでもご連絡をお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。~
■生命応用化学科研究室紹介ホームページ
生命応用化学科研究室紹介 | 日本大学工学部 (nihon-u.ac.jp)
【写真:FREAの一般公開へ出展したときの様子/バスツアーでFREAの見学/オープンキャンパス:学生の研究発表/オープンキャンパス:総合案内コーナー/FREA・工学部連携シンポジウム(2018年) 「有機系太陽電池における電荷分離・再結合課程」講演】