第1回風土記の丘から「日本大学工学部建築学科卒業設計作品展」観覧報告
~郡山市立美術館で12作品を展示~
「福島地域会賞」授与:小日向環さん/カタルシス峡谷 ―『デミアン』から紐解く詩的空間の開放―
2月11日から24日まで、郡山市立美術館ギャラリーにて、建築学科の卒業設計作品展が開催され、初日11日には(公社)日本建築家協会福島地域会による選考により「福島地域会賞」が小日向環さんに授与されました。毎年、郡山駅西口のビッグアイでの開催でしたが、今回、美術館での第1回開催となりました。12名の学生による深く・熱い思いを表現した力作に、来場者は熱心に見入っていました。今後のご活躍をお祈り申し上げます。
事務局記
日本大学工学部建築学科のカリキュラムには、学年の最終年度にあたる4年時で「卒業研究」が設置されています。「卒業研究」は4年間の教育における集大成に位置付けられ、これまでに学び得た様々な知識を総動員して取り組むことが求められます。「論文」と「設計」の二つに区分され、学生はどちらかを選択することができます。毎年、40名程度の学生が「設計」を選択し、相当の時間と労力を掛けて一つの作品を仕上げます。
学科からテーマが出題されることはなく、学生はそれぞれの視点や問題意識で建築を思考する背景を設定し、建物が存在するためのストーリーを構築します。また、建築の図面と模型だけではなく、手書きのイラストやCGによるパースなど、工夫を凝らして自ら設計した作品を表現します。このたび、特に優秀な作品が審査会を経て選抜され、郡山市立美術館の空間に展示されることになりました。
まさに今、4年間の学びを終え「風土記の丘」から飛び立とうとしている学生達の作品をご覧ください。
日本大学工学部建築学科
郡山市立美術館
※会場ごあいさつパネルより
【展示作品】
氏 名 | 作品タイトル |
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小日向 環 | カタルシス峡谷 ―『デミアン』から紐解く詩的空間の開放― |
ヌアムツ・エカテリーナ | 記憶の紡ぎ手 ―蔵と共に歩む再生の場― |
葛原 智気 | 花の持つ形 ―生と死を結ぶ線― |
三瓶 夏蓮 | 光を漉く ―和紙の可能性― |
菅原 海美 | イーハトーブ2025 ―まちなかのさいわいー |
中島 大翔 | 「暮らしを重ね折り、―ニュータウンの再編― |
日下部 杏 | 繋がりの湯道 ―温故知新― |
酒井 美咲 | NURBS曲線を用いたシェル構造曲面形状屋根の設計 ―活火山と共に生きるー |
荒木 水緒 | 桜還の地 ―過去から未来へ関り続ける「生き続ける故郷」の創造 |
大竹 優 | 風化と蘇生 ―廃墟的要素を活用した新たな都市空間の設計― |
阿見由莉奈 | アーバンダンス ―表現の「場」と「路」の設計― |
塚田 響 | 四辻を彩る ―レタス畑の風景・人々をつなぐ建築群― |