第89回を迎える「日曜夕べのリサイタル」
~音楽は世代を超えた共通言語~
吹奏楽部OB会会長でクラリネットの演奏を続けている武田さんは、現在、郡山室内楽興会の仲間と共に「日曜夕べのリサイタル」を毎年数回開催しています。工学部吹奏楽部のメンバーとも演奏会等で交流されているそうです。今回89回を迎えるリサイタル(6月30日(日)18:30~/ 郡山市公会堂会場/入場料 無料/プログラム◇ ヴァイオリンとピアノによるデュオ チャールダーシュ/モンティ他)の紹介に校友会事務局を訪れました。その折、お話をお聞きすることができました。
~高校時代、私の得意な学科は理数系でしたが、楽器を演奏することが大好きで、本学の芸術学部音楽科に入学し、音楽を職業にすることを夢みていました。しかし、恩師から「どんなに好きな音楽も職業にすると音が苦になり、嫌いになるほど苦しむこともある。君にはそんな覚悟があるかね」と諭され、私は「真の才能があるなら理系の仕事に就いても夢は叶うはず」と、自分に言い聞かせ、本学の工学部工業化学科(現生命応用化学科)に入学しました。
卒業後の一年は民間会社を転々とした後、郡山市役所に採用になり、退職までの36年は化学の知識を活かし、水質検査と浄水処理の水質管理に専念しました。
在職中の出来事で忘れられないのは、なんといっても8年前に起こった「東日本大震災」です。断水した水道を不眠不休で復旧させ、その後も、風評被害の払拭と、発生汚泥の処理に翻弄しました。もちろん、苦しいことばかりではありませんでした。国際交流基金によってパリとウイーンに水質浄化の研修に行かせていただき、膜処理などの最先端の技術を目にすることができたのは大きな収穫でした。ヨーロッパの水道の現状を垣間見、改めて日本は水に恵まれていることを実感しました。
一方、音楽活動についても趣味の枠内ではありますが、精一杯走ってきた感があります。それができたのも、安定した職業に就けたことが一番で、収入が安定し、家庭が安定し、結果として好きな音楽も打ち込めたと思っています。もちろん家族にも感謝しています。
音楽は高齢になっても続けられ、若いメンバーとも共通言語として交流ができるため、老後の趣味としては理想的と考えています。そのためには“健康で長生き”が大切と思い、生活習慣病の改善のためにフィットネスジムに通い始めました。これからも長く続けたいと思います。
【写真:吹奏楽部OB会/工業化学科25回同窓会/宇野原先生と/武者先生・尾崎先生らと/平成25年度水道関係功労者厚生労働大臣表彰/ヨーロッパ海外研修/「日曜夕べのリサイタル」でのソロ演奏/職場で】