下宿「熊倉荘」
(田村町徳定)
当初、ご主人の知人が同所で下宿を経営されており、昭和54年に熊倉さんご夫妻が引き継がれ、「熊倉荘」として開業されました。39年前の事です。
~もともと、主人が会津出身でしたが、東京都の新宿区高田馬場と杉並区高円寺の2カ所で12年間、中華料理店を営んでいました。“おいしい料理をふるまって、健康な学生生活が送れるように”と郡山の阿武隈川の畔で、下宿業を始めることとなりましたが、東京に住んでいた時も神田川のそばでした、ここで開業することになったのも何かご縁があったのかもしれませんね。
下宿を始めてから、4年後南側に別館も増築し,さらに5年後本館をリニューアルしました。開業から約40年ですが、下宿長を中心に、新入生歓迎・追い出しコンパ等イベントが受け継がれています。開業の頃、近所の古い建物で“肝試し”が行われ、私も参加させてもらったことが忘れられません。周辺の環境もだいぶ様変わりしましたが、JR安積永盛駅に続く下宿前の通りを高校生や大学生が通学する風景はそのままです。
現在、17人の学生が下宿しています。当初、学生は自分たちのこども世代でしたが、いつの間にか孫の世代になりました。学生と暮らしていると、若いエネルギーがもらえるからでしょうか、主人も私も気持ちの年齢は、開業当時と同じです。今まで多くの下宿生を送り出した中には、海外で活躍している子も多いですよ。時代を反映しているんでしょうか。卒業してからも下宿を訪ねてくれたり、連絡をくれたりする子も多く、結婚式にも呼ばれることがありうれしいですね、みな自分のこどもや孫と同じですから。
“郡山の親”として下宿生には毎日声を掛けています。郷里の親御さんから大事な子供たちを預かっているわけですから、心配なんですよ、帰って来るまで。~
【写真:本館・南側別館・JR安積永盛駅に続く下宿前の通り・東北新幹線架橋・阿武隈川とえいとく橋】