下宿「サトー荘」
(田村町徳定)
40年前に、兼業農家の佐藤さんご夫妻は、奥様がお世話係、ご主人が食物の栽培担当として下宿「サトー荘」を開業されました。建物は当時のまま変わっておらず、訪ねてくる卒業生はみなさん懐かしむそうです。学生は今も約20人が入居しています。愛情と栄養たっぷりのお米と野菜が開業当時から変わらず、学生の食卓に並びます。
~私たちが、結婚した昭和30年代には、戦争当時軍の飛行場だった大学の地に、当時の建物がいくつか残っており、また大学の南西に位置するこの場所(サトー荘)近くの田んぼを滑走路に利用し、滑空研究会のグライダーが飛行していました。大学の様子は当時と比べるとすっかり近代化しましたね。
下宿を開業以来、食事は私たち夫婦で栽培した作物を中心に妻が調理して、食べてもらっています。食事とお風呂には時間の制限を設けていないので、学生には好評のようです。ここを巣立って社会人になった卒業生たちが、近況報告や私たちを気遣って時々訪ねてくれます。卒業生もかなりの人数ですので顔はわかるのですが、時々、名前が思い出せないことがあります、しょうがないですね。
手紙も多くいただき、妻は何度も読み返しているようです。遠方から結婚式にも呼ばれたりしますが、お祝い事はいいものです。この辺りも、新しい道路建設や区画整理が予定されており、大学の南側はだんだんと変わっていくでしょう。自分たちが元気なうちはできる限り、下宿サトー荘を続けて、学生・卒業生と長いお付き合いをしていきたいと思っています。~
【写真:卒業生が送ってくれた同窓会の写真集/卒業生からの手紙/サトー荘/下宿前の道路】