「上妻(あがつま)下宿」~母の思いを継いで~
(田村町徳定)
上妻下宿さんの隣接地は、以前は蓮畑があって、多くのカメラマンにとっての撮影場所でした。下宿の創業者であったお母さまのミツエさんが、お亡くなりになり、その遺志を長女である高木さんが継がれました。「学生さんにとって快適な4年間をどうやって過ごしてもらうか」、試行錯誤の日々をお話しいただきました。ありがとうございます。
~この辺(徳定)での下宿開業第一号だったのではと母から聞いています。近隣町内で、昭和37年(1962年)に創業、昭和45年に現在の場所に移転開業しました。お陰様で18部屋(6畳~12畳)は満室です。
小さい頃から母の炊事や掃除をする姿を見て育ち、忙しい時はよく手伝わされましたが、自分が跡を継ぐとは考えていませんでした。しかし、時が経ち、頑張り屋で働き者の母が昨年2月に亡くなった時、初めて母のこれまでの長年に渡って下宿に注いできた熱い思いが伝わり、「下宿業を通して学生さんたちに貢献ができる!これこそ価値ある仕事だ!」と気づいて跡を継ぐ決心をしました。
私の下宿経営の心情は『学生さんにとって価値ある4年間』になるようサポートしたいという思いです。
きっと母も学生さんに対して、同様の気持ちで日々仕事をしていたのではないかと思います。私は学生さん目線で下宿生活を見つめ、「家主が同じ建物で生活し、グループラインで災害時にも情報が共有できるようにする」「食材はできるだけ生産農家さんから無農薬の米・野菜を買い付け、心のこもった手作りメニューを (春季・夏季・冬季休業時もコロナ禍で実家に帰れない学生さんに) 提供する」「住設備の充実:トイレ4室、シャワールーム3室、洗濯機2台、物干し場あり」「できるだけ学生さん各人の個性を尊重し対応する」等、入居学生さんとのコミュニケーションを図り、近隣の同業の先輩方に教えを請いながら、『地域一番の学生さんに喜んでもらえる下宿』を目指しています。
上妻下宿は東側が神社なので静かで縁起が良く、コンビニも徒歩4分に立地し利便性が高いです。下宿生の中には、下宿の隣が地元消防団の詰所になっており、そこに入団している学生さんもおり、町内の防災に貢献し感謝されています。下宿生活は同級生や先輩方と諸情報交換ができる環境ですので、プライベート・試験対策・就職活動にも大変有効です。
最後に大学さんには「下宿とはどういうものか・入居するメリット」を父母にわかりやすく伝えてほしいです。宜しくお願い致します。~
【写真:高木さんのお母さま「上妻ミツエさん(昨年2月逝去)」/高木さん】