「拝啓、先生」~石井和樹さん(土木工学科)〜
震災から3年6ヶ月、郡山の地層と震害を土質工学的に検証してみました。
〜郡山盆地は洪積層と沖積層で構成され、浅い層は、粘土質土、シルト質土、砂質土、有機質土で、それらの下に、耐震性に優れる砂礫層や泥炭層、風花凝灰岩、凝灰質砂岩等の厚めの層が堆積、地域差のある震度20〜30mでは、支持層として有効な凝灰岩が存在します。被害の大きかった「さくら通り」周辺は、開成山〜虎丸町間が表層下に細砂や砂礫、シルト質系土、薄層の有機土質等で、さらに固結の乏しい砂質系土が堆積しています。緩斜面ですが砂の流動化が著しく、帯水層の砂質土は支持力に欠け建造物等の侵害があったと考えられます。〜
将来、マイホームを考えている若い諸君らは震害を受けやすい『埋立地』『過去に河川の氾濫を受けた河川周辺』『厚い均質砂層地盤』『急峻な地形』等は避けて自己防衛を望みます。
退職して10年、「土」から離れられず陶芸の粘土と戯れています。粘土に加える最適水分量は触覚で経験上容易ですが、芸術となれば別です。また、在学中(土木13回:昭和40年卒)、帰省時、郡山から四国高松間急行列車中で囲碁の入門書を読破し独学で技術向上に努めました。退職後、台湾で2度親善大会に出場し日本棋院から6段位を獲得して現在、小学生から米寿を迎える方まで公民館等でコミュニケーションの道具として重宝しています。趣味とはいえ職種の異なった人々から得る知識は、我が人生にとって最大の宝物です。