「拝啓、先生」~小林力さん(電気電子工学科)~
私は定年退職して数年が経ち、現在、非常勤講師の身です。現役時代からの本性と言うか惰性とでも言うか、定年後も自分の専門分野である超音波関連の研究で製品開発を目指し共同研究を継続しています。そのスピードは落ちましたがトシ相応の成果を上げ頑張っています。そのかいあって共同研究者に学位を取らせてあげるまでに発展しました。
私は大器晩成に属するタイプかもしれないので、名刺にも生活信条として「生涯勉強」と記し、牛歩で粘り強く細く長く生きていこうと決意してきました。専門分野は勿論、現役時代に時間を割けなかった文系分野も含めた幅広い領域を意味します。私は授業の途中、必ず教養的な雑談を一つ入れて学生たちにコーヒーブレークを与え、気分転換を図ってきました。工学・科学・政治経済、及び我が身から滲み出た人生訓など様々な話をしました。これは自分の勉強にもなりました。
私の好きな言葉に「鈍才は天才なり」、「誰にでもできないものはできない、されど誰にでもできないこともやれる人間になれ!」、「学業成績は暗記力・理解力で評価されがちであるが、社会で役立つのは我が身から滲み出る粘り強い努力であることを忘れるな!」、「苦は楽の種」などの格言的なものが挙げられます。私は卒業していく学生諸君に"社会に出たら偉くなりなさい"と色々な意味を含む餞の言葉を贈ったものです。世に出れば、暗記力・理解力よりも"牛のような粘り強さ"があれば勝者にもなれるはずで、これを最大限に生かしてお互いに悔いのない人生を成就させていきたいものです。