「拝啓、先生」〜高木 秀有さん(総合教育)〜
オレンジ色に輝くセーフライトの下で
工学部での学生時代に「写真部」「自転車部」でご活躍された総合教育の高木秀有先生(機械48回卒)に学生時代・現況をお聞きしました。
~フィルムをカメラにセットし、枚数制限がある中、1枚1枚に思いを込めシャッターを押す。セーフライトの下、露光された印画紙を現像液に浸すと、ぼわっーと像が浮かび上がる。像が現れ始めたときの身震いするような興奮・感動は昨日のことのように鮮明に蘇り、このような一連の作業に没頭した時代を懐かしく思います。
今から20年程度前でしょうか、まだ70号館が建つ前、大学敷地内の外れにある部室棟の一角での一コマです。それぞれの写真によって、青春時代の何か爆発寸前の、また鬱積した何かを伝えようとしました。また、写真は個人で完結するような趣味に思われがちですが、サークルメンバーでの写真展開催や撮影旅行、またその後の打ち上げ(単なる飲み会?)での思い出が強く印象に残っています。それぞれの価値観やものの見方があり、写真だけに限らず様々な事を語り合いました。
現在では、私が写真を撮る機会とすると記録を意味する時のみです。デジタルカメラで撮影し、撮影後直ちに写真を確認でき、また撮影後でもパソコン上で明るさやコントラストを自由自在に調整できるなど、とても便利になりました。しかしこの便利さによって、上述した感動を得られないのは一抹のさみしさがあります。
現在、私は母校である工学部において教鞭を執っています。立場上、授業に出て基礎学力の向上とともに各学科の知識や知恵を身に付けなさいと指導します。しかし、サークル活動における人間関係やそこで共同して何かを成し遂げる、また喧々諤々お互いの意見や思いをぶつけ合わせることは、大学時代にすべき事の一つだと思います。そして、そのような時間をともに過ごした仲間とは大学卒業後も交友関係が続きます。
本学の学生さんには、サークル活動、またその他の活動を通じて、何かに一生懸命になってほしいと思います。若い皆さんは、多少の失敗や遠回りをしても十分挽回できます。時間を無駄にせず学生生活を謳歌してほしいと強く願っています。~