「拝啓、先生」 〜市岡綾子さん(建築学科)〜
~学生とのまちづくり活動~
建築学科住環境計画研究室の市岡綾子先生は、校友と連携し学生とともに須賀川市で様々なまちづくりの活動をされています。今回、その活動についてお聞きしました。
~建築学科の大先輩、有賀保二先生、狩野勝重先生が大学構内からエリアキャンパスへと学生の活動領域を拡張し、地域住民とともに研究を実践してきた須賀川市中心市街地のフィールドを僭越ながら引き継ぎ、様々なまちづくり活動を行っています。建物被災が大きかった震災後に実施した被災した土蔵の調査から、地元住民による地場産の赤瓦への愛着を知りました。震災を経て今に残る地域の文化を継承するために、学生の活動が少しでも力になればと考えています。
まちなかの賑わいを創出し、新たなまちの担い手発掘を目的としたまちなかマーケットRojima(すかがわの路地でマーケット)は、平成27年6月から毎月第二日曜日に開催され、今年9月で33回を数えます。今や認知度が高まり、子育て世代を中心に周知されているRojimaには、初回から学生ボランティアとして研究室の学生が参加し、会場係や受付などおもてなしのホスト役を担います。研究室で子ども向けのワークショップを開催したり、卒業設計を展示したりと“賑わい創出のプレイヤー”となることもあり、学生には思い出深い貴重な社会経験となっています。Rojimaに遊びに来る卒業生と須賀川の街角で出会う楽しみが、わたくしの喜びでもあります。
昨年5月に須賀川市役所新庁舎が開庁し、まちなかにも賑わいが戻りつつあるなか、地域の人々は逆境をチャンスへと多様な新たな試みを始めています。わたくしどもも須賀川市議会事務局と連携し議場の可能性を探る活動(議長は本学部建築27回卒 佐藤瞭二氏)、都市公園の利活用を目的とした社会実験、道路拡幅に伴う景観まちづくり活動など、協働する活動内容も領域も多岐に渡るようになりましたが、これも偏に長きにわたり須賀川市で本学科が活動を続けてきた賜物と存じます。先達の方々、そしてともに様々な活動を行ってきた卒業生への感謝を忘れず、今後とも学生とともに住民の皆様と楽しく活動を続ける所存です。~
【写真:Rojima本部/Rojimaセルフリノベーション会場/須賀川市議会:佐藤瞭二議長(左)と大倉雅志副議長(右)を囲んで/須賀川市議会との連携/議場見学会】