支部・部会リポート:関東支部リポート
自動車分野のノーベル賞に相当する「SAE国際交通安全賞」を受賞(日本人で二人目)
私は博士前期課程を修了後、平成6年に一般財団法人日本自動車研究所に就職、歩行者の脚部傷害基準値・大腿部傷害基準値の提案(欧州安全基準に採用)、歩行者頭部衝撃子の開発(日本の技術基準や自動車アセスメントに採用)など、衝突安全・傷害低減に貢献することができました。
平成18年に独立行政法人交通安全環境研究所に転職し、衝突時の車両乗員・歩行者保護を目指した各種車両衝突試験手法策定の為の研究、最近では歩行者検知型予防安全装置(止まる車)のあり方に関する研究等に取組んでいます。こうした研究成果による車の安全性向上への貢献が高く評価され、SAE International(米国自動車工学学会)より2014 Arnold W. Siegel International Transportation Awardを受賞することができました。
大学入学後、間もなく父が他界し、昼夜アルバイト中心の学生生活でした。学士として就職希望でしたが、先生から大学院進学を薦められ、さらに大学院では海外派遣奨学生の機会(米国ノースウェスタン大学に1年間留学)を得たことが、今の研究所生活に繋がっています。母校・恩師への感謝として、校友会を通じて何らかの形で教育に貢献したいと思います。
学生時代はボクシング部で主将を努めた際、日大工学部が東北地区大会で総合優勝した感動は今でも強く印象に残っています。部活や下宿先での素晴らしい友人、後先輩との出会いは生涯の宝物です。今後も『大きな心をもつ人、研究者』を目指し、世界の技術レベルの向上に関わっていきたいと思います。