支部・部会リポート:関東支部リポート
『茨城県知事賞』を受賞して
電気工学科卒業生の福地栄作さんは昨年12月に、平成30年度関東地方発明表彰を受賞されました。今回、受賞の内容についてお聞きしました。
~はじめまして。福地栄作と申します。私は、1990年に修士を卒業し、故郷にある日立製作所に入社しました。入社後は、自動車関連の仕事に従事することになり、これまでに、3社の某カーメーカ様と仕事をさせていただきました。私が携わりました仕事は、自動車用制御コンピュータに搭載するソフトウェアの基になる制御ロジックの設計でした。自動車の制御は主にエンジン制御、通信制御、自己診断制御から成り立っています。その中でも、私は、自己診断制御の設計・開発に従事しました。
自動車を販売するためには、いくつかの法律を守る必要があり、その1つにOBD法規というものがあります。これは、排気ガスを低減する部品等が故障した場合、それを検知し、運転者に警告するシステムを義務付けたものです。この法規を守るために自己診断制御が必要になり、入社以来、一貫して、続けてまいりました。2009年に日立オートモティブシステムズ株式会社が新設され移籍しましたが、仕事は変わることなく続けてまいりました。
仕事上、研究報告書(社内)や特許を書く機会があり、15年程前に日立製作所の機械研究所と共同研究した成果が特許化され、2018年に、公益社団法人発明協会から、『茨城県知事賞』を受賞させていただきました。受賞内容は、『耐環境性に優れた車載故障診断装置』というものです。これは、自動車エンジンの点火装置が点火しなかったり、燃料噴射装置が燃料を噴かなかったりした時などに、失火現象として現れる故障を検知する診断制御の発明です。路面からの外乱、クランク軸のねじれ等に強いロバストな診断で、低コストで実現できるものです。
最後になりますが、本学で学ばせていただきましたことに感謝し、また、ご指導いただきました加藤勝洋先生、小倉嵒先生、永嶋誠一先生に深く感謝する次第でございます。~
【写真:福地さんが受賞された表彰状/表彰楯】