「鋳物技術に誇りを持って」
現在、私の鋳物工場では、この度の震災で工場が被災してしまった南相馬市の長年の同業仲間従業員5名を受け入れ、4月18日から弊社の社員6名とともに働いています。
私は昭和50年3月に機械工学科を卒業し、地元福島県郡山市で父の創業した普通鋳鉄・ダクタイル鋳鉄を中心とした鋳物工場の2代目として、産業機械部品などを製造しています。
震災での被害は弊社の場合、僅少でしたが、浜通りにある仲間の工場は被災した上に、福島第一原発から半径20km以内の距離で、放射能からの避難のため工場から退去しなければなりませんでした。弊社への移転希望を聞いた時、自分たちの仕事は自分たちで見つけるということで、了解しました。私どもにしても、職場に活気が出ることでプラスになり、技術の交流についても役立っています。ただ一番の問題は、原発解決への進展がなかなか思うようにならず、以前にも増して仕事の受注にも影響がでてきている事です。
校友の方で鋳物の仕事がありましたら、是非ご一報下さい。後輩の学生の皆さんには、鋳物の製造現場を是非見ていただきたいと思っています。古くからの技術ですが、なくてはならない鋳物という素材産業に誇りを持って日々取り組んでいます。