「工学部校友会設立50周年記念誌」を読んで
記念誌発刊を知り、早々に購入し深く拝読いたしました感想をお知らせしたいと思います。
さて、「松下村塾」塾生である山田顕義先生が日本大学を創設して以来120年以上、時の経過と共に大学の目的や使命である「自主創造」「世界の平和と人類の福祉」「広い知識と深遠な学術」などを忘れていないでしょうか。目的や使命の意義が変わったのでしょうか。そんなことを考えさせられたのがこの一冊でした。幕末の志士や先輩方々が未来を考え、夢と希望を持って時代を築いてきた。それが今ある私たちではないでしょうか。大学卒業後、私自身も日々の生活や仕事に追われ母校とは疎遠でしたが「自分がやるべき事は何か」「大学がやるべき事は何か」を改めて考えさせられた貴重な資料や内容であり、工学部の歴史や回顧録など青春時代が甦り、編集委員の方々のご苦労やご尽力を察することができました。
最近の日大卒業生や大学の活躍はどうでしょうか?政治、経済、科学技術などあらゆる分野で日大の名前を聞くことは少なくなっているように感じています。日大のレベルが低下したのでしょうか?他校のレベルが向上したのでしょうか?日本のレベルが低下したのでしょうか?いずれにせよ卒業生が一番多い大学としては少し寂しい気がしています。私は先輩方々が残された業績を基に「自分のできることを、できる範囲で、何かをしたい」と思っています。そして私たち工学部校友が中心になり協力し「何か」を後世に伝えていこうではありませんか。
昨年は東日本大震災や福島原子力発電所の事故により工学部や地域の皆様には多大なる被害や影響があったことに心よりお見舞い申し上げます。戦後、技術立国として発展してきた我が国も他の国に追いつかれ、将来を考え新たな行動を起こす岐路に来ているのではないでしょうか?世の中には解決できない未知なもの、素粒子や宇宙のミクロやマクロの世界など課題は無限です。震災復興工事や早期の原発事故収束の為にも日大校友としての技量や技術を発揮して社会に貢献していかなければならないと思っています。
今後も校友会の書籍や、先生・校友の方々によるわかりやすい専門書の出版にも期待しています。