下水処理をグリーン化する『ロハスの花壇』実証実験 開始式
~郡山市と日本大学工学部との下水道事業における連携協定に基づく~
本部リポート「ザ連携」
8月10日、郡山市湖南浄化センターにて、工学部土木工学科環境生態工学研究室の中野和典先生による「ロハスの花壇」実証実験の開始式が、出村克宣工学部長、品川萬里郡山市長の出席のもと、行われました。この実証実験は、郡山市と日本大学工学部との下水道事業における連携協定に基づき、郡山市湖南浄化センター敷地内にロハスの花壇プラントが設置されました。
セレモニー終了後、地域の子どもたちや住民がひまわりの苗を植えました。(※花壇設置の予算は日本大学の学術研究助成金 社会実装研究が充てられました)
ロハスの花壇とは:自然の浄化機能を生かした廃水処理技術である湿地浄化法を一般家庭の庭や公園で活用することを想定し、花壇に適用したものが「ロハスの花壇」です。自然が営む物質循環を利用することで最小限のエネルギーで廃水処理が行えるシステムです。「ロハスの花壇」では廃水は植物を育てる水であり、肥料です。「ロハスの花壇」で下水を処理すれば、下水が景観形成や潤いのある生活に貢献する緑化の源になります。「ロハスの花壇」により自然にやさしい資源循環型の下水処理を実現します。(2014年からキャンパス内でのロハスの花壇パイロットプラントにより学生食堂の汚水の処理が実証されています)
ロハスの花壇の水質浄化機構:「ロハスの花壇」の内部には、水質浄化のろ材が敷き詰められています。下水を流すと汚れがろ過されます。花壇は3段の構造となっており、3回のろ過が行われることで、下水が浄化される仕組みです。花壇の内部は十分に空気がいきわたる構造となっています。そうすることで、花壇でろ過された汚れは、ミミズ等の土壌動物や微生物により速やかに分解されます。窒素やリンなどの分解物質は、植物が栄養として利用します。ロハスの花壇では、このように自然が営む物質循環を利用することで、最小限のエネルギーで下水を浄化します。
事務局記
【写真:プラント解説パネル1/プラント解説パネル2/出村克宣工学部長の挨拶/中野和典先生のプラント解説/濾過槽1段目/2段目/3段目/3段目槽へひまわりの苗を植栽/湖南からの磐梯山・猪苗代湖】