靴の芯材製造からウルトラマンを描いたキーホルダー作製まで
~皮革の裁断加工・プレス加工・手すき加工技術を活用した皮革・布・プラスチック商品を開発中~
新時代の校友企業/株式会社須賀川シューパーツ
物質化学工学科(現生命応用化学科)を卒業された塩田さんは、御実家である靴の芯材の製造会社でご主人の滝口雄介さん(土木60回)と一緒に素材や加工の知識・経験を活かし、主力製品はもとより、新商品の開発にも取り組まれています。
~2011.3.11、あの日私は研究室で卒業研究論文と格闘していました。そんな時、襲った大きな揺れ。揺れが収まった隙に学生駐車場へと急いで避難し、無事を確認できて、ようやく身の安全を感じたものの震えが止まりませんでした。東日本大震災は衝撃的な経験でしたが、あれからもう8年が経ちます。同じく私が現在勤務する㈱須賀川シューパーツに就職して8年です。
弊社は、靴の芯材の製造企業で、完成した芯材を国内の靴メーカーに納品しています。芯材とは、靴の中のかかとやつま先にある重要な部品で皮革を加工して製造します。近年外国産の靴の流通量が多くなり、そのため国産靴の需要が減少し、残念ながら弊社芯材の需要も減少の傾向にあるのも現実です。しかしながら、手をこまねいているわけにもいきません。弊社には、「皮革の裁断加工、プレス加工および手すき加工」という強みがあります。この度、それを活かして須賀川観光協会からのご支援も頂き、須賀川市の姉妹都市でもある“M78”の、「ウルトラマン」を描いた革製のキーホルダー【写真6】を作製しました。このキーホルダーはJR須賀川駅構内で販売しております。機会があれば一度手に取って頂ければ幸いです。
今後は皮革のみならず、布やプラスチックにも上記技術を活用した商品開発を行い、新しい分野を開拓していきたいと考えております。これらの素材の加工に関して、校友の皆様からのニーズがございましたら下記までお気軽にご依頼頂ければ幸いです。
一方で、新しいことを始めるということはそう簡単なことではないと感じてもいます。行き詰った時などはよく大学時代の卒業研究を思い出すようにしています。思うような結果がでず、悩んだり、思ってもいなかった結果に救われたり・・・。そんな頑張った日々がいつも自分の背中を押してくれます。卒業し時を経て改めて思うことは、大学生活はとてもかけがえのない日々だったということ、そして現在の原動力になっているということです。
いつか、OGとして、そんな大切な存在である大学を象徴する記念品を、弊社の技術を使って作ってみたいと考えております。見ただけで懐かしくて、かけがえのない大学時代を校友の皆さんと一緒に思い出せるような、そんな記念品を製造したい、そんな思いを抱いています。そのためにも、「校友会を通じて多くの皆様との交流を広げさせていただきたい」と願っています。~
■株式会社須賀川シューパーツ
〒962-0712 福島県須賀川市小倉字新屋敷26-1
TEL.0248-79-2152 / FAX.0248-79-2170 / E-mail:ssp.sukagawa@gmail.com
【写真:1手すき加工、2型抜き、3バックヤード、4芯材等製品、5新商品の素材、6開発商品:革製キーホルダー】