玉川村でしかできないビールづくり
~「テクミーツ」ゲスト校友起業家その2~
新時代の校友企業:株式会社あぶくまビール
4月21日、大学正門東側に隣接する郡山地域テクノポリスものづくりインキュベーションセンターにて開催された工学部OB・OGと学生の交流会「テクミーツ(工学部起業サークル主催・工学部校友会後援)」にゲストOBとして参加いただいた渡辺さんは、クラフトビールの製造、販売を手掛ける株式会社あぶくまビールの代表取締役です。福島県玉川村でのホップ栽培再興と、そのホップを使ったビールづくりへの想いを中心に、今回のテクミーツ参加の感想も御寄稿いただきました。御寄稿ありがとうございました。今後のご活躍をお祈り申し上げます。
~静岡県富士市生まれ、日本大学三島高校、日本大学工学部機械工学科及び修士課程を卒業させていただきました。卒業後は大学院時代にインターンでお世話になっていた山形県の農業プラント開発の会社に10年間勤務しました。その後郡山市に戻りWeb関連の会社や自転車関係の会社などの立ち上げに携わる機会をいただき、自分がやりたいことで起業することを目指すようになりました。
2022年8月に福島県玉川村にてクラフトビールを製造販売する株式会社あぶくまビールを起業しました。起業する数年前から、昔は地ビールと言われていたクラフトビールの魅力に惹かれ、また私の地元静岡県ではクラフトビール醸造所やタップルーム(ビール専門バー)を備えた飲食店も盛んなことも知り、福島県でクラフトビールを楽しめる機会を提供する事業に取り組みたいと考えるようになりました。
玉川村は大学時代に、お米の生産農家さんの田植えや稲刈りなど、農業体験をしていた縁もあり身近な地域でした。また数十年前まではホップの栽培が盛んだったことを知り、そして新産業創出の補助をなど行政の支援体制が充実していたこともあり、玉川村でクラフトビールをつくりたいという気持ちが固まりました。
クラフトビールの世界は着実に広がっており、国内ではクラフトビールブームと言われるような状態です。私たちあぶくまビールではブームでは終わらない、地域の文化になるような産業として根付くブルワリー(醸造施設)を目指しています。ホップ栽培の研究会を立ち上げ、村内でホップの栽培をしていただける農家様への普及活動を推進しており、今後は大麦に関しても村内で栽培し“玉川村でしかできないビール作り”にも取り組む予定です。
2024年現在、玉川村の入り口である阿武隈川にかかる乙字ヶ滝近くの畔に新たな交流施設として、日本を代表する建築家である隈研吾氏の設計により「乙な駅たまかわ」をリノベーションしています。あぶくまビールでは施設内に醸造施設を新設し、併設するレストランやカフェと連携して「飲んで・食べて・買って」楽しめる施設を2024年秋にオープンします。
今回「テクミーツ」では自身の起業についてお話しさせていただき、現役学生ともディスカッションさせていただきました。主催した工学部起業サークルの学生の行動力に感心させられ、参加していた学生からの鋭い質問に改めて事業について考えさせられ、刺激的な機会となりました。そして最後になりますが学生のイベントを支えていただいた日本大学工学部と工学部校友会の皆様ありがとうございました。今後も今回のようなOB・OGと学生の交流の機会づくりにご支援いただけると幸いです。~
●ホームページ:あぶくまビール公式サイト
【写真:豊富なビールバリエーション/ホップから美味しいビールが/ホップの収穫/あぶくまビール直販所(すがまプラザ交流センターRoom11)/テクミーツ:講演/テクミーツ:グループディスカッション】